プロジェクトの概要

自分事防災と、地域異世代交流で防災に強い町づくり
防災ピクニックプロジェクト

プロジェクト実施地域の現状、課題等

自治会の高齢化問題

プロジェクトを行う神奈川県川崎市は典型的な都市型ベッドタウンです。人口増加率は政令指定都市の中でもトップである7.4%。急激な人口増により、古くからの地元住民と、新住民の大きく2つの層で交流が生まれにくいという課題が生じています。
地域での異世代交流が少なくなっていることは、若い世帯での自治会加入率の低さという問題にもつながっています。自治会は、災害時には避難所の運営を行う等、地域防災の要となる組織。災害時要援護者支援についても期待される自治会ですが、活躍している役員の多くがシニア層であることから、会員や役員の高齢化により、災害時対応に不安を抱える自治会も少なくありません。

救助の98%は「自助」と「共助」

一般に「地震で生き埋めになった場合は、自衛隊や消防が助けにきてくれる」と、つい思われがちです。
しかし、たとえば阪神淡路大震災時、生き埋めになった方のうち公的機関により救助された方の割合は、2%未満。98%が自力や家族(自助)、または、友人や隣人(共助)により救助されました。
1つのエリアで多数の被災者が出る震災時には、公的な救助だけでは限界があります。そもそも被災時には被災地にある公共機関も被災するため交通混乱も起こります。実際には、その場にいる人たちだけで助け合うことが不可欠となるのです。
自治会加入の有無に限らず、地域の力は、災害時に1人でも多くの命を守るためになくてはならないものとなるーー。 ここに私たちは防災を自分事として捉え、地域での防災力をUPする重要性があると考えました。

共助に対するニーズと現状

災害時に限らず、共助の重要性は広く理解されており、共助への期待も高くなっています。神奈川県での「県民ニーズ」の調査(平成23年度神奈川県)でも、「近隣住民との助け合い」に対するニーズは84.3%でした。ところが、現状に対する満足度はわずか1.8%。ニーズと現状との乖離が見られます。
原因の1つとして考えられるのが、同調査の別項目「安全安心のための地域活動への参加を希望する」住民が5割にとどまっていること。この調査結果から、共助の重要性は理解されているにも関わらず、現状の取り組みは進んでいないことが明らかです。

地域防災の課題

災害への不安が高まり、地域で助け合う重要性が理解されているにも関わらず、その対策は行政や地域任せになっているというのが現状ではないでしょうか。そして、これは川崎市に限らず、日本中ほとんどの都市で「地域防災」が広がらない原因の1つになっていると、私たちは考えています。

プロジェクトの特徴と運営について

本プロジェクトでは、1年を2期にわけ、2つの地域(「チーム川崎区」と「チーム高津区」)で防災と異世代交流の視点を盛り込んだピクニック「異世代交流・防災ピクニック」を開催しました。
最大のポイントは、運営チーム「チーム・異世代交流で防災に強い川崎」です。
避難所運営に携わる地域のシニア層には、運営者サイドで参加して頂きます。MAMA-PLUGは子育て層がメンバーの中心である団体ですので、企画・運営を行うことがすでに異世代交流となります。
チームには、当該地域の行政機関にも参加して頂きます。このことで自助・共助・公助の連携を、チーム運営の中で経験することができます。実際に行ってみると、さまざまな課題が発見できます。この課題を発見し、異世代、異業種が一緒に解決していこうとすることがプロジェクトの最大の目的です。
イベントとしての「異世代交流・防災ピクニック」の参加対象者は、子育て層です。参加者には、防災ピクニックを通して、防災を自分事として考えて頂き、防災アクションを起こすきっかけを提供させて頂きます。
また、イベントの運営者である地域のシニア層との交流により、共助の重要性について再認識したり、地域防災に参加するきっかけの場になることを目指しました。

メイン・コンテンツについて

防災ピクニックのメインコンテンツは下記の通りです。
1年目
①非常食の調理と試食:市販の非常食の試食や、アクティブ防災食の調理体験および試食を通して、非常時に起こりうる食の問題について考えます。
②防災ウォーク:災害時の危険箇所はどういうところなのか?長くその土地を知る地元の方と一緒に街歩きすることで、親子で安全な避難について学びます。
③昔の遊び:地域のシニア+地域の子ども達での交流プログラムです。その場にあるものを利用してできる遊びで、災害時に重要となる「工夫する大切さ」を学びます。
2年目
1年目のコンテンツに加え、地域の災害時要援護者に必要なサポートを学べるコンテンツを取り入れていきます。
①アクティブ防災食の炊き出し体験:要援護者のニーズに対応でき、誰でも参加できる炊き出しを体験して頂きます。
②福祉体験:妊婦ジャケットや高齢者体験セットを利用した福祉体験を行い、要援護者支援について考えます。
③自主保育:会場内に保育スペースを設け、別の参加者または運営者が未就学児の一時保育を担います。子どもの遊び場を確保し、避難所運営や復興作業に子育て層が携わりやすくする方法を検討します。

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